こんにちは。有限会社コエルです。
本日は弊社設立のきっかけにもなっているグループ会社、信濃理化学工業(株)のご紹介です。
同社はコエルの設立より前に長野市松代にて設立され、一般廃棄物・産業廃棄物汚泥の処分業を行っております。
「コエルも汚泥の処分会社ではないの?」と言われますが、有機系の汚泥にも種類が2つあり、信濃理化学工業で処理できる汚泥はバキュームカーで回収するような液状の汚泥になります。コエルではそのような液状の汚泥から水分を20~30%除いた固形の汚泥を処理しています。
少し専門的な話になりますが、信濃理化学工業は主に飲食店の厨房排水が流れる工程に設置されている「グリストラップ」に溜まる汚泥や食品工場などの排水処理施設に溜まる汚泥をバキュームカーで回収しています。回収後、信濃理化学工業の工場では「脱水」という処理が行われ、液中に含まれる固形分と液体が完全に分けられます。液体は更に浄化槽という汚水をきれいにする設備をとおり、最終的に隣接する千曲川に放流されます。
一方、残った固形分は水を含んだ粘土や泥のような状態になり「脱水汚泥」と呼ばれます。脱水汚泥は信濃理化学工業で処理できないので、コエルに持ち込まれ、下水汚泥と同じように堆肥化されます。このように信濃理化学工業で回収された液状の汚泥は液体→河川、固形分→肥料へと100%リサイクルが可能となっています。
その昔「信濃理化学工業で毎日発生する脱水汚泥を何とか自家処理出来ないか?」という課題があった中、コエルの所在する飯山市で大規模な農地開発が行われる国のプロジェクトがあり、そこに有機肥料の必要性を見つけ、廃棄物の堆肥化施設を建設するに至りました。その後、紆余曲折ありながらもコエルは信濃理化学工業の汚泥のみならず自治体の下水汚泥や食品工場の残渣なども受け入れており、最大で年間3,500t程度の有機肥料を生産する堆肥化施設へと成長しています。現在でもコエル堆肥を利用している過半のお客様は飯山市・野沢温泉村・木島平村の方々で幅広く野菜類の栽培にご利用いただいています。
これまでコエルー信濃理化学工業が同じグループ会社であると大きくアピールしてきませんでしたので、別々の会社と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、両社の社員は日々連携を取りながら施設の運営をしております。「SDGs」や「サーキュラーエコノミー」という言葉が叫ばれる何十年も前から廃棄物の100%リサイクルを事業として行っていますが、日常生活とほぼかけ離れているため全くと言っていいほど認知されていませんので(笑)、今後は我々自身で世の中にアピールしていく必要性をひしひしと感じております。
引き続きよろしくお願い致します!